宮沢賢治 銀河鉄道と光のふぁんたじあ
2008 / 05 / 26 ( Mon ) 大石 加奈子 著
表紙折込 『銀河鉄道の夜』の汽車は動いていない 汽車の窓の外を「りんだうの花がいっぱいに光って過ぎて行きました」 「島と十字架とは、だんだんうしろの方へうつって行きました」 という外の像の動きによってわたしたちは、乗っている汽車が動いている と感じる。 これは<りんだうの花や島が動くはずがない><汽車は動くもの> という経験に基づく常識がははたらくためだ。 けれども、もし物語に語られている通り、動いているものが 「りんだう」「島と十字架」など、窓の外の像であるとすれば 汽車は実際動いていないだろう。 銀河世界の円盤型地図をぐるぐるまわして見ているように 銀河世界の像の方が、動かぬ汽車を中心にその周囲を回っているのだ。
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